「思い込み」で行動できない時の対処法

「思い込み」で行動できない時の対処法

私たちは日々生活の中でも、仕事に対しても、今まで積み上げた経験をもとに過ごしています。しかしそれとは裏腹に自分自身に裏切られる事もしばしばありますよね。「なんであの時思ったように動けなかったのか」私自身も自分の行動を後悔する事が多いです。「なんでそんな風に考えてしまうのだろう?」と思いを巡らすと、子供の頃の経験や思い込みに縛られている事に気づきました。過去の経験や思考パターンを引きづる事で、本来の能力を発揮できずに、負のサイクルに入り込んでしまっていることがあります。ここではなんで思い込みをやめられないのか、思ったように行動できないのかと言った部分を紐解いていきたいと思います。

一度持った「思い込み」は、なかなか捨てられない

自分がコミュニケーション下手だとか思い込んでしまうと、その思い込みは自分からなかなか離れていきません。これは「信念固執の原理」と呼ばれているものです。自身の中にメインとなる信念を育て上げてしまうと、その信念を更に強めるような事ばかり考えるようになります。信念を考え始めるときより、変える方がより大変な労力が必要です。

ここで論文をご紹介します。人が一度抱いたイメージは、その後の判断や思考に影響するといったものです。
2008年の実験社会心理学ジャーナル(Journal of Experimental Social Psychology)に論文が掲載された研究では、被験者にある人物の知能テストの採点を依頼した。対象人物の回答は、得点が93点または36点となるよう操作されていた。

採点終了後、研究チームは被験者に対し、手違いにより間違った解答集を渡してしまったため、点数は不正確だと告げた。また、正しい解答集で採点し直すことは無理だとも告げた。

チームはその後、テストを受けた人物の知能レベルを推測するよう被験者に依頼。するとその推測結果は、知能テストの成績と一致した。最初に知能テスト対象者の点数が平均以上だと信じ込まされた被験者は、対象者は賢い人物だと思い続けていた。

この実験では被験者は、間違った採点結果の印象を変えることができなかったと言うことになります。つまり自分が一度抱いた考えは容易に抜けていかないのです。私もかなり思い当たることがあります。

営業であれば第一印象が大切と言われますが、理由はこのためです。「こういう人物だ」といったん判断されてしまうと、その思い込みを変えることは難しいのです。

「バカの壁」で有名な養老孟司氏も、思考にとらわれることについて同じような話を展開しています。

「知りたくないことに耳を貸さない人間に話が通じないということは、日常でよく目にすることです。これをそのまま広げていった先に、戦争、テロ、民族間・宗教間の紛争があります」

 

また、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン氏も著書の中で「確証バイアス(思い込み)」について話しています。

連想記憶の働きは、一般的な「確証バイアス(confirmationbias)」を助長する。

サムが親切だと思っている人は、「サムって親切?」と訊かれればサムに親切にしてもらった例をあれこれと思い出すが、「サムっていじわるだよね?」と訊かれたときはあまり思い浮かばない。

自分の信念を肯定する証拠を意図的に探すことを確証方略と呼び、システム2はじつはこのやり方で仮説を検証する。

「仮説は反証により検証せよ」と科学哲学者が教えているにもかかわらず、多くの人は、自分の信念と一致しそうなデータばかり探す──いや、科学者だってひんぱんにそうしている。

つまり人は一般的に「自分の信念を肯定する証拠を意図的に探す」のです。さらに信念を否定されることに関しては情報を意識的、無意識的によらず、シャットアウトしてしまうのです。

日本人ならではのコミュニケーションの思い込み

こうして思い込みは私たちの中に存在しており、生活に影響を与えつずけている。例えば日本人は周りとの協調性を重要視する文化感を持つ。一度くらいは言われたことがあるのではないか「人に迷惑をかけるな」。子供の頃、私は耳にタコができるレベルで聞かされ続けた。親からしてみれば、「人の気持ちを考えることができるようになって欲しい」ということだとは思う。しかし私の場合この「迷惑をかけるな」が思ったようなコミュニケーションがとれない原因になってきた。

他人の意見とぶつかることがめちゃくちゃ苦手。

ビジネスの場で意見のすり合わせや、ディスカッションはしっかりしたタイミングで行われるべきである。しかし迷惑をかけるなという呪いにも似た思い込みが「意見がぶつかる=迷惑行為」と思いこんでしまい、上司や取引先とうまく連携できなかった。

ブレイクスルーになったのは転職経験でした。当時は営業だったのですが、どれだけ説得力を持たせて、綺麗に喋るかばかりを考えていました。しかし転職して入ったセールスグループは全く違う文化でした。間違ってもいいから発言する。自分なりの意見を展開する。この二つが社内コミュニケーションで当たり前の文化でした。

そこからコミュニケーションという分野のインプットを猛烈にはじめました。そもそもディスカッションはビジネスとして一般的という事を意識し直すのに半年ばかりかかりました。その時にとにかく意識したのは次の2点です。

  1. 間違っていてもいいから意見する
  2. 意見に反対されても、人格否定されてるわけではない。

特に二つ目は飲み込むのにかなりの勇気が必要でした。

日本では会議はっきり意見を言うのには、不釣り合いな空気感があったりします。ですので実践はそんなに簡単なことではないかもしれません。しかし常日頃のやり取りで意見交換の回数を増やすことはできます。もしくは自分から発信の回数を増やすことは出来るはずです。トレンドニュースだったり、仕事改善の提案でもなんでもいいのです。公の場でなくとも数人のチーム内の発信でもいいです。まずは行動することです。失敗を恐れず経験値を積む、場数を踏むことは必ず自分に生きてきます。

なかなか行動できないあなたへ

そうはいっても、頭でわかっていてもなかなか行動できないことは多くあります。アップル創業に携わったウォズニアックは 「何かを始める」際に必要なこととして次のような事を述べています。

ウォズニアックは、何かを始める際の好奇心の重要性について次のように説明する。

教育には、多くの事実を学ぶ『知性』と、考え方を学ぶ『創造性』がある。私たちは想像力と好奇心を持って生まれ、世界を探索してその仕組みを理解し、新たなものを作り出すよう生まれてきた。それが私たちの本質だが、子どもの頃から周りにそれを否定されることが多く、創造性が大きく損なわれてしまう。

ウォズニアックはさらに、人に質問をすることの大切さについて語る。本からただ知識を得るよりも、自分自身で学びを深めた方がずっと良い。最高の教育とは、何かのやり方を自分で発見することだ。

ここから記事の中では下記2点をあげています。

  • 没頭できることに情熱を注ぐ
  • 自分のすることに喜びを見出す

行動できない思い込みを脱却するのは並大抵のことではありません。そのためには自分自身で気づき、自身の行動で変えていく必要があります。思い込みから解放された時の自分を想像してみてください。自分を変えられたと言うときは何にも変えられないほど喜びに満ちた時間を過ごすことになります。ぜひ一歩目の行動を起こして見ましょう。