「質の高い記事」の本質はSEOやユーザビリティではなく、パラダイムシフトが起きるような価値観の提供
- 2019.09.16
- マーケティング

Webサイトを構築・運営していると「どんなコンテンツが良いのか」と様々考えることがあります。ブログやアフィリエイトで収益を出そうとしている人は、自分で記事を書いたり、ランサーズやクラウドワークスなどでライティングを外注するということも多いと思います。
外注のライターさんと話していても「SEO記事書けます」というアピールがほとんどでコンテンツ=SEOという風潮が大きくなっています。たしかにコンテンツマーケティングで企画を作りSEOやSNSでの集客も非常に大切ではありますが、結局は集客やリード獲得を目的としたコンテンツになります。
良い記事はSEOに強いという偏った風潮
Googleで「質の良い記事」を検索してみると大体は下記のような内容が上位を占めます
- ターゲットとテーマを明確にする
- イラスト・図を入れて見やすくする
- 文字を見やすくする
- 見出しで読みやすくする
- 引用・参考元などの根拠を記載
- オリジナリティのある切り口で描く
コンテンツや記事を作るうえでは当たり前の話ではありますが、上記項目はSEOとしてよい評価を受けるためのチェックポイントと同義です。基本的にSEOというGoogleの考える良いコンテンツに沿った考えになります。
果たして「Web上の良いコンテンツ=Googleの考える良いコンテンツ」と同義でよいのでしょうか?もちろんユーザーのことを考えて作られたコンテンツや記事は価値がある記事といえますが、一度白紙に戻して考えてみるとユーザーに支持されるコンテンツは何のかが少し見えるようになります。
Googleの理念はWebサイトに公開されています
「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」
そしてそのためにWeb検索サービスを作り、検索結果により良いWebサイトを掲載しようとしています。この理念は非常に素晴らしいものではありますが、Googleのアルゴリズムは完ぺきではありません。
多くのWebサイトから見えてきた、ユーザーの為のコンテンツ
私は個人事業のWebサイトやブログメディア、メーカーブランドサイト、転職サイトなど様々なサイトに携わりながら運営・構築・コンサルタントを行っています。
どの事業でも大切なのは「収益に貢献できるWebサイト」が最優先となります。お金をかけて作る以上大切な考え方です。ですが「収益に貢献できる=継続的にユーザーに必要とされるサイト」ではありません。
Webライター歴10年にもなる方と意見交換をさせてもらっ時に下記のような意見をもらいました。
悩んでいる方に響くのは、実例を交えた個人の意見。Webサイトの記事に拠り所を感じて探してくださった方さらに価値を提供したいと考えたらSEOライティングではなく、考え方・価値観を提案するオピニオン記事に行きついた。
繰り返しになりますが、SEO記事は集客手法の一つなので、事業や収益といった観点では大切なものですが、SEOはあくまでGoogleのルールによる順位付けです。
ユーザーにとって価値を感じてもらえるのは、必ずしもSEOを中心とした考え方ではないです。
結局のところ継続的に残すことができるコンテンツは、ユーザーに寄り添ったものだと思っています。
現時点でのGoogle検索の限界
ここでは悩みを持ったユーザーが、どういう風に課題解決に行きつくかで考えてみます。解決するためのHowtoであれば今のSEO記事でもユーザーに届けることができます。
今のGoogle検索のアルゴリズムではユーザーインサイトを大切にしています。例えば育児に悩む母親が「子ども イヤイヤ期」で調べた場合、イヤイヤ期にの原因を解説しただけのコンテンツではなく、原因から対策まで掲載してある記事が上位表示されます。
対処療法的な課題解決であればこれで問題はないと思います。ですがこの検索をしたユーザーは根本的な考え方が変わらなければ、再度に多様な検索を繰り返します。「イヤイヤ期 泣く」「イヤイヤ期 保育園嫌がる」「イヤイヤ期 我慢できない」などなど実際にイヤイヤ期に直面してるユーザーの悩みは多岐にわたりますし、様々な検索がされています。そして検索結果ではSEO対策されたコンテンツが山のように出てくるのです。
検索を繰り返しているということは根本的な悩み解決ができていないということです。問題が解決されれば検索はそこで終了するからです。そうならないということはSEO対策した記事では根本的なユーザー解決にならないことになります。
ユーザーに態度変容をさせることが出来る記事
ここで少し話は変わりますが良い広告とはどんなものか知っているでしょうか?よく言われるのは「ユーザーの態度変容をおこさせる広告」です。実際に広告を見たユーザーが考えを変えて、行動を喚起させることができればよいものとされています。
広告にはSEOのような評価されるためのルールはありません。そのためCMクリエイターなどは、クライアントの企業体質・企業文化・事業目的を理解したうえで最適解としてのクリエイティブを考えだします。CM提案などもコンペを開催したこともありますが、Web広告代理店では敵いません。
よく考えられた広告・CMは人の心を動かしますし、実際に試してみようと行動させることができます。では「Googleの考えを中心として考えられたコンテンツ」「検索結果に出てくるコンテンツ」は実際に良いコンテンツや記事といえるのでしょうか?
ユーザーが根本的な課題解決をするにはある程度のパラダイムシフトが必要になります。パラダイムシフトとは考え方の目線(パラダイム)を変えることで問題解決の糸口を見つけることができるということです。
現在のGoogle検索では課題に対しての解決策が良いとされていて単純なQ&Aになってしまています。このままではユーザーはQ&Aをうのみにするだけで考え方が変わったり、自力で解決策にたどり着くことがなくなってしまいます。はたしてその状態は良いといえるのでしょうか?
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